▶︎僕にとってのTonyさん

 鎌田東二、徳島県阿南市出身で、
 宗教哲学一筋、としたいところだが、
 その活動範囲は一筋縄では
 とてもとても収まらない人。
 膨大な著作をものにしてきた
 背景には、
 膨大な文献精査のみならず、
 縦横無尽のフィールドワークがあり、
 そして様々な文化人芸術家たちとの
 交流を通じて実現してきた
 ボーダーレスな活動がある。
 出身校である国学院大学を始め、
 京都造形芸術大学(旧称)、京都大学、
 上智大学等で教鞭を振るう一方で、
 東京自由大学と言う
 フリースクールを開校し、
 長年理事長を務めた。
 鎌田さんと僕の出会いは、
 1997年の夏だった。
 日本3大奇祭・吉田火祭りの日。
 その頃、富士吉田浅間神社で
 富士講の御師を
 務めていた槙田きこりさんの、
 築500年以上の実家の神棚の前で、
 飲めや歌えやの酒宴を繰り広げた
 ことに端を発する。
 翌年の1998年、阪神淡路大震災の
 追悼と日本の甦りを祈念した
 歌と祈りの音楽祭、
 「神戸からの祈り・東京お開祭り」の
 実行委員会に誘われて、
    活動を共にした。
 鎌倉大仏前で演奏した事は、
 今でも忘れられない思い出である。
 その後、鎌田さんは
 神道ソングライターと名乗り、
 ギター1本でオリジナルソングを
 突然に歌い始めた。
 多くの人は鎌田さんが
 また変なことを始めたぞ!と言う
 目で見ていたようだったが、
 僕にはその楽曲と歌詞の世界観が
 とても魅力的に思え、
 そしてTony & KOWと言う
    コンビネーションが生まれた。
 鎌田さんの2枚のアルバム制作に 
 携わり、その後10年間に及んで
 Tony vs KOWと名付けた
 弾き語りバトルを続けた。
 あっという間に20年の月日が
 経過していた。
 そして2年前に3rd.アルバム
    「絶体絶命」のプロデュースと
 アレンジを買ってでて、
 約半年間で完成にこぎ着けた。
 鎌田さんの古くからの同胞である
 細野晴臣さんにもご参加頂いた。
 今回のツアーはその時の
 レコーディングメンバーが
 中心となっている。
 今、鎌田さんは京都比叡山の麓
 に住まう。
 鎌田さんにとって京都・拾得で、
 レコ発をする事は悲願なのでは
 ないかと思う。
 そしてまた同志社大学で教鞭を
 振るった鎌田さんにとって
 Vi-Codeのある大阪中津は、
 日々通った場所でもあった。
 昨年末、APIA40での東京レコ発の
 まさに直前とも言える折に、
 鎌田さんの身体に
 癌細胞が見つかった。
 主な癌は切除されたが、
 転移が認められるので、
 今抗がん剤治療中である。
 しかしユニークな鎌田さんは、
 吟遊詩人を超えて
 自ら「癌有詩人」と名乗り、
 新たなる活動を展開している。
 なにしろ癌が発覚してからも、
 すでに2冊の詩集を書き下ろして
 いるのだ。
 まさにガンガンと
 衰え知らずの創作力!
 ほんまアホやなあ、と敬愛する。
 そんなこんなでこの2年間は
 僕にとって鎌田さんとの
 関わりの中でも
 最も濃い時間となった。
 今回の関西ツアーはその集大成。
 うまくいく気しかしない。

鎌田東二✨3rd.album✨絶対絶命

細野晴臣をはじめ、最高度の魔法使いたちがありえないほどの密度と強度で構築した『絶望と希望の音語り』。進化する神道ソングライターの絶対絶命の爆裂を聴け! ☆レコ発ライブAPIA40チャンネル配信中!☆ https://www.youtube.com/watch?v=3PJy5R_Tmjc ☆CD/メリカリ、Amazon 取扱中!定価¥2,800-©️Moonsault projectmoon-003

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